詩って人間にとってなくても生きていけるけど、あると安心するもの、地震のために備えておく非常食や水、懐中電灯のようなものじゃないかって思うんです。なんでこんなことを書いているかというと、先日TVをつけたら情熱大陸に谷川俊太郎さんが出ていたから。
詩って言葉の羅列、言葉を編むこと。そしてその言葉の意味を考えたり自分なりに咀嚼したり、胸にしまって何かというときに引き出してきたり、詩に勇気ずけられたり。
僕にとっても大事な詩もあります。谷川さんの詩もその中にあるし、いろいろ読ませてもらって、やはりそのとっつきやすさが身近に置いておきやすい言葉だななんて思ったりしています。
言葉が溢れる現在。詩なんていちいち読まなくたって、テレビやインターネット、音楽や広告、スマホの中など、言葉の渦が氾濫している。
大切な言葉がどこにあるのか、詩の意味がどこにあるのか、もしかしたらわかりにくくなっているのかもしれない。
大の男は自分の哲学と詩を心にそっと置いておくものだと、昔の小説家が教えてくれました。単純な僕はその教えをただ守っているだけかもしれないんですけどね。
ランボーやゲーテの詩もいいんだけど、谷川さんのとても遠くに思えることもとても身近に感じられる詩がとても好きです。
「万有引力とはひき合う孤独の力である」出展:二十億光年の孤独
仕事上、アイデアが一番大事になってきます。
アイデアを出してそれを形作るのが仕事のため、アイデアの引き出しはあればあっただけいいんですよね。引き出しの中に何十年と入れる長期のものから、出し入れ出し入れを繰り返す短期のものまで。
頭で想像すると、写真のようなのが脳の中にあって、そこからおみくじだすが如く、引っ張り出すみたいなイメージ。
確実に言えることは、最近インプットがぜんぜん足りていない。引き出しがあっても、中に何も入っていないのではなんの意味もないや。東京に行くとデザインが溢れています。さりげなく設置されている駅貼りのポスターだって、かなりのクリエイティブなプロセスを持ってそこに行きついているはず。
ローカルにずっといると、逆にちゃんとデザインされたものに出会う機会が少なくなる。
もちろんデザインされたものもちゃんとあるのですが、トータルでアイデアにあふれるものというのはやはり少ないのが田舎、特に山梨です。デザインや編集でやっていくことが山積み。人も足りないや。
とりあえず9月はインプットできるようにちゃんとしたい。8月の最大のインプットは、お盆にひさしぶりに漫画と映画を見まくれたことかな。
田舎者の誰しもが持つだろう東京への憧れを抱いていた20代そこそこの頃。東京と名のつく歌(くるりの東京やサニーデイサービスの「東京」というアルバムが主なところ)に感化され、東京で暮らすと何か田舎者の僕にもドラマが待っているのではないかと錯覚するような、そんなイメージを持っていた東京。
僕は阿佐ヶ谷に1年、国分寺に8年くらい住みました。中央線から離れられなかったのは、尊敬する大人(みうらじゅんやリリーさん、さらにはブームの「中央線」も影響大)たちが若い頃は皆そろって中央線に住んでいたという逸話によるもの。山梨には1本で帰れるという便利さもあるし。ライブに行ったり、クラブに行ったり、2丁目に行ったり、街を歩いたり、東京のディープな世界は、たぶん何年住んでもその楽しさはあると思っています。
今は山梨に帰ってきたけど、たまに刺激をもらいに行く東京。田舎でも都会の人が刺激を求めて遊びに来れるような、そんな関係性がいいね。
では聞いてください。銀杏BOYSで「東京」
8/1に都留の高尾神社で開催されたYamanashi Fringe MarketにBEEK LifeStyleとして仲間と一緒に出店してきました。今回はテーマを設けてみました。「パンと本とコーヒー」という、休日にこれさえあれば幸せな組み合わせです。パンは山角さん、本はミニ一箱古本市、コーヒーは甲府からAKITO COFFEEさんに来てもらうという、とっても贅沢な組み合わせ。BEEKでは出店してもご提供するものがないので、こういう時は出てもらうお店を編集して、山梨のライフスタイルをお届けできるようにしています。
山角さんは、「森、道、市場」以来2度目の共演。今回は夏にあうバインミーというベトナム風サンドイッチとシナモンロールをご提供してくれました。コーヒーにもワインにもあう最高の美味しさ。夜にはバインミーもシナモンロールも売り切れてしまいました。
甲府の北口のコーヒースタンド、AKITO COFFEEのアキトくんはコーヒーや街に対する情熱がとてもあふれています。南口の寺崎コーヒーさんと共に、コーヒー文化から人やアートや暮らしも発信しています。
BEEK04の発酵特集からは甲府の五味醤油さんが発酵ブースを。ゲリラ的にてまえみそのうたやこうじのうたのダンスを踊ってくれましたよ。2週連続で出店でご一緒しています。発酵醸造や食文化を伝えている発酵兄妹。メンバーのムードメーカーにもなってます。
本は一箱古本市で毎回でてくれている方々にお声をかけて、8店主ほどで小さく開催しました。どうやらお子さん連れに絵本がかなり売れたもよう。僕らもBEEK BOOK STOREとして古本出させてもらいました。読んでいた本が、買っていただいた人にまた読んでもらえると思うだけで嬉しくなります。
他にもフリンジマーケットで出店者は80を越え、それはもう多種多様なお店がいっぱいありました。お店を出していたのであまり多く会場を回れませんでしたが、来場者も浴衣の方もいたりととてもよい雰囲気のマーッケトでした。僕も第一回目で遊びに来ていたのですが、まさか自分が出店者になろうとは思いもよりませんでした。他の出店者の方々も口々に言っていたのですが、ナチュラルリズムのヒーコさんに声をかけられたから毎年出ていたり、今回はじめて出店したり、そんな声を聞きました。そして、僕もその一人です。ヒーコさんや実行委員会のみなさんが自分の街のことを伝えるために、毎年開いているこのお祭り。準備等大変なことが多いと思いますが、実行委員のみなさんの想いがあの場所を作っているのだと思います。
出店メンバーと共に、とてもよい夏の思い出ができました。そして、まだ夏は続きます。
あ、BEEK オリジナルTシャツ作りましたよ。絶賛販売中〜。