BEEK DESIGN
BEEK DESIGN is Creative Desgin Group in Yamanashi, Japan.

Archive for 3月, 2016

3月もあっという間に終わりそう。
お正月から駆け抜けた感がハンパなかったなぁ。
年度末の納品の数々をこなし、やっとこさ自由にできる時間もちらほら。

3月の終わりに思うこと。
散歩しながら、休憩しながら、行きたいところに行って歩きたいということ。
おいしい餃子をワイワイ食べたいということ。(世界で一番餃子好き)
そんなささいなことで、4月からもがんばれる。

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移住のニュースタンダードを掲げるウェブマガジン「雛形」さん主催のスナック雛形というイベントに1日限りのスナックオーナーとして立たせてもらってきました。

雛形にはぼくの山梨に帰ってきてからの活動を取材してもらっています。
1日かけてその土地の人とも触れ合いながら、ていねいに取材をしてくれました。

(雛形での記事 → https://www.hinagata-mag.com/comehere/4134 )

そんな雛形さんが、ウェブ読者のリアルな声を聞きたいと企画したのが今回のスナック雛形。
雛形に今まで掲載された地域の人がその土地の地酒を持って1日マスター、ママになり、お酒を振る舞いながら気軽に地域の話をしませんかーというのがイベントの趣旨でした。

ぼくは「さんてん」という山口県萩市のゲストハウスrucoの塩満くん、山形の家具リペアデザイナーの須藤くん、山梨の五味醤油6代目の五味ちゃんの3人が集まったユニットと一緒にブースに呼んでもらいました。ぼくは友人のマルサン葡萄酒の若尾さんがつくるワイン、百(赤・白)、五味ちゃんは四恩醸造のワインを携えて。

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おきゃくさんで来た人はそれぞれの理由で話をしに来てくれました。
いま東京で働いているけどいずれ地元に戻りたいという人、2拠点での活動を実際している人、東京にいるけど地方が気になっているという人、rucoの塩満くんのところに泊まりにいって塩満くんが東京来るならといって会いにきた人(これが一番多かったかも。塩満効果)、とりあえずワインや山形、山口の日本酒飲みたい、などなど。

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ぼくも山梨にいつか戻りたいと言ってくれた方や、学生さんで地元が山梨で就職先をいろいろ考えているなんて人から、はじめてBEEKを見てくれた人とフリーペーパー談義をしたりととてもよい話がたくさんできました。ひさしぶりに東京の友人(Tokyo graffiti時代)にも会えて嬉しかったなぁ。

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山梨からお手伝いの仲間も来てくれたり、さんてんのみんなも住んでいる場所は遠いけど以前から交流があり、とてもいい雰囲気でスナックができました。
日頃からこんな交流がでてきることが、いまさらながらありがたいし嬉しいしなぁと。
それもこれもぼくにとってはBEEKを作りだしたことがきっかけなので、なかなか遅れている新しいBEEKもていねいにつくっていきたいなとあらためて思いました。

二次会にはなぜか最近甲府にもよくあらわれる、みんなのアイドルGも。
そんな東京での1日。とにかく呼んでくれた雛形さん、ありがとうございました〜。

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おつかれさま、ありがとう。またね。

そんな夜でした。奇跡みたいな風がふいた甲府の夜。(3/16 さよならパタゴニア。でもまたね )

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よく手に職という言葉がある。手に職があると職人と言われることも多い。

絵が上手なひと、パンを焼くひと、踊る人、家や家具をつくるひと、味噌や醤油や酒を醸造するひと、食をつくるひと、などなどたくさん。

ぼくは30数年生きてきたが、これといった手に職を持っていない。
パソコンでデザインできるなんて手に職だなんて思ったこともない。

持っていないからこそ、持っているひとたちのすごさがわかり、とてもかなわないとおもう。
性格上、そこに身を投じることもこの先無理だと思う。

ぼくがやっていることのひとつに編集がある。
編集とはすでにあるものとあるものを繋いで、あたらしい見え方を提示することだと思っている。DJがするリミックスともほど近いような。
または、整理整頓と判断の連続をしていき、よりよく物事が伝わるための仕込みだとも思っている。

編集というちからを借りることで、手に職はないけれどいろいろな人の想いをリミックスして、価値を一緒に想像していくことが役目だとおもう。
そんなことをしていきたい。
餅は餅屋ではないけれど、できることはできる人にまかせて、そんな人がまわり多くにいればそれほど心強いことはない。
生活の延長にしごとがあり、しごとの延長に生活がある。そんな生活が理想だと思っています。

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ちがい

ちょうど1年前からずっと心にへばりついて、今もたまに思い出してモヤモヤ考えることがある。
それはある人からの、ある質問で。

「土屋さんは自分と同業者(地域のデザインをやっている人)の違いはなんだと思う?」

その場でとっさに考えるも、取り繕ったような返ししかできず、自分で納得するこたえをそのときに出せなかった。
もちろん質問をしたホトリニテ宿主も納得してはいなかった。

それからというもの、ことあるごとにその質問の真意を考えるようになった。
ぼくのやっているデザインや編集は、他の地域の人とどう違うのか。そもそも違う必要があるのか?

デザインや編集を都会で身につけ田舎に帰ってその力を存分に発揮している方々は多くいる。
ぼく自身、尊敬するローカルデザイナーが何人かいて、その人の背中を見ていて自信を持てたことも多い。
地域でフリーペーパーをつくってそこから仕事に結びつけている人ももちろんいる。

じゃあぼくは何が違うのか? 違うところなんて見つからないじゃないか。

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それから1年。
多くの人に会ってはなしを聞いて、僕なりの伝えるという仕事をしてきた中で現時点での到達点。
今まで意識していなかった自分の人や仕事に対する“行為”がひとつの型になり、それが人との違いに結びつくのではないかなと思うようになった。
もっとわかりやすいこたえは? と言われると、実物がないから見ることができないし、つねに流れていくつかみ取れないようなものなので口に出したとたん変質し陳腐なものになりさがる気がしている。と、書いているだけで言い訳のようにも聞こえる。

自分の型。自分の行為。
本質は空であり不変のものなどないという「色即是空」という僕の座右の銘は、空であるのだろうが考え方自体は仏教という枠組みの中にあった。
ぼくは、ぼくなりの色即是空を持っている(悟れないけど)。
なんか、そんなことじゃないのかな。違うかもしれないけど、それを納得してもらえる行為を増やしていく。

ぼくにはやるべきと思っていて、まだできていないいくつかのことがある。
それを達成させるための行為から、こたえの欠片を伝えられたらいいなと。

また、ゆっくり話しましょうね。

げんきまつりでパンまつり、ご来場していただいた方々、出店のパン屋さん、ほんとにありがとうございました。

BEEKでふだんなじみあるパン屋さんが多いこと、ぼくが単純にパンが好きなこと、やまなしにもこんなにおいしいパン屋さんがあるんだってこと、そんな単純な理由で今回のパンまつりを開催しました。
たのしいお祭りになればいいし、いろいろな個性あるパン屋さんを知ってほしい、そんな気持ちしかありません。

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げんき祭りという今年で3回目の富士吉田での楽しいお祭りがあるので、去年からBEEKでも協力してイベントを一緒にやるようになりました。ほんとうに県内外から元気な人が集まるんですよ。今回もふくめ、全3回とも参加していますが毎回元気をもらっています。

IMG_9911(写真は去年のようす。今年バタバタすぎてぜんぜん写真撮れなかったww)

今回パンまつりで、想像をこえまくるお客さんに集まっていただき、せまい小屋に入るのに行列ができてしまいました。
会場は混雑するし、最後のほうの人は買えなかったり…。ほんとうにごめんなさい。
次にいかします。
げんき祭りのスタッフのみなさんにはお手伝いいただいてほんとうに感謝しています。

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パンと本とコーヒーがあれば、休日はたいていしあわせです。
そんななんでもない1日をすごせる場をまた作れるようにがんばります。

参加パン屋さん:山角(北杜)、asa-coya(韮崎)、ブーランジェリー パンペパン(甲府)、ベーカリールーブル(南アルプス)、MOGMOG PAN(笛吹市)、コンプレ堂(北杜)、Naturalrhythm(都留)、チェチェメニ(富士川町)、パンとお菓子の店 akikki(北杜)、お菓子と天然酵母パン tobira(都留)

山梨のハタオリ産地の人や暮らしを伝えるLOOM。
半年かけて紡いだこの冊子の山梨でのお披露目会として、甲府の文化のるつぼ へちまで音楽会を開催しました。

取材期間、産地に通っているとどこの工場でもハタオリのガッシャン、ガッシャンという音が聞こえてきました。
ぼくにはまるでそれがハタオリのうたに聞こえたんです。
工場によって、織るものによっても違うその音たち。昔は街全体で響いていたといいます。
音と切り離せない織るという営み。
LOOMも作って配って終わりということではなく、音楽を通して伝えることもできるのではと思いました。

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演奏は甲府在住の音楽家、田辺玄くん(WATER WATER CAMEL)と森ゆにさんにお願いしました。
音楽会の前に、機屋さんに伺って実際の織機の音を録音したり、ハタオリうたという民謡をあたらしくアレンジしてもらったり。

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なんとライブではハタオリをフューチャーした新しい曲、その名も「LOOM」が披露されました。
織機の音をリズムとしてバックに、ゆにさんの優しい歌声が響きました。
機屋さんの今までの苦労と喜びをすべてひっくるめて昇華させていくようなうた。

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最後は僕と写真家・砺波周平さんのLOOMで撮った写真をスライドにして、それに音を重ねていきました。

時代(いま)を織る。
LOOMにつけたコピーです。
今は過去がつくり、未来は今がつくるものだおもっています。
この時代に生きる機屋さんは、過去を紡ぎ、今を生き、そして未来へ繋げていくという使命をおって日々の営みに励んでいます。
取材でお会いした機屋さんはみな朗らかで、足踏みをそろえて前を向いている方たちばかりでした。

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会場に来ていただいた方々には、何か感じるものを持って帰ってもらえたならそれが一番うれしいことです。
僕自信、音楽にここまで感情を揺さぶられたのははじめてのことかもしれません。
会場に多く来てくれた機屋さん、ハタ女のみなさんの終わったあとの笑顔で会話している姿が忘れられません。ほんとうによかった。

僕にとって、山梨に帰ってきてほんとうによかったと思えるできごとのひとつになりました。
ぼくはこれからも、伝えるという仕事をやっていけそうです。

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最近37歳になった。

数字だけみたらアラフォーなわけで。大学生の頃想像していた40歳近辺の大人は、ふつうに大人だった。
自分はどうだろう? もちろんその頃と変わったことも多い。
特に仕事を独立するようになってから考え方がとても変わった。大げさに言うと世界を見る目が変わった。
女のこの好みも変わった、かもしれない。

でも変わらないことのほうがずっと多い、気がする。

相変わらずくだらないことばかり考えて、中学生みたいな思考回路中心で生きている。
変わらないは、変えられない。世界もそんなに変わってない。

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LOOM

山梨織物産地を伝えるフリーマガジンLOOMができました。
夏前にこの話を発行元となる山梨県富士工業技術センターの五十嵐さんからいただいて、そこから富士吉田市、西桂町に月に何回も足を運ぶこと数ヶ月。
そして編集/デザインを含めると半年。

僕にとって、とても大きな想いも一緒にもらえた仕事になりました。

それは時代(いま)を織る、機屋さんたちの想い。産地の過去と、現代、そして未来。
過去を今に紡ぎ、それを未来に伝えていこうとする想い。

この時代に機を織る人たちの、このタイミングでしか作れないような冊子が作れたのではないかと思います。
冊子の中に「Synchronicity」というタイトルの特集を作りました。
シンクロニシティ=共時性、同時性。

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産地を巡る中で、いくつかのキーワードがありました。その一つに、今このタイミングだからこそ成り立っている、人と人との関係性がありました。
それは機屋さんどうし、外からの専門職の人たちとの交流、サポートするシケンジョとの関係性、全てにおいて言えることでした。
その関係性の中から、新しいブランドが生まれていたり、若い世代の就職につながっていたり。

この仕事の話を五十嵐さんからいただいたとき、織物の知識もなく、産地のこともまだほとんどしらない僕に、ここに住む人たちの営みを伝える自信はまったくありませんでした。
だからこそ、知りながらこの街を歩いて、聞いて、見て、編んでいく。

取材で出会った機屋さんはみな朗らかで、皆が同じ前を向いて仕事に励んでいる方ばかりでした。
職人さんでありながら、ブランドを作り、それを伝えることもしていく。
ブランドを作った会社が、それを後から続くブランドにもノウハウを共有する。

多種類の織物を織る産地だからこそ成り立つことでもあるのかなと思いました。

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最後の編集後記で五十嵐さんはこう記してくれました。

「今を伝える語り手として、山梨に住むひとりの市民の視点をBEEK DESIGNの土屋さんに担っていただき、共に産地をめぐる中で本書が完成しました」

 公共機関の冊子を作るのに、1個人である僕にすべて委ねてくれたというのは、すごいことなんですよ。
それだけ五十嵐さんが僕を信用してくれ、細かい調整を見えないところでしてくれたということだと思います。
その期待に応えられる冊子を、作れたかはわかりませんが、僕のいまできることを最大限使って冊子を作らせてもらいました。
BEEKを作ってそれが新しい冊子につながったことはとても嬉しいし、やまなしのことを伝えるという意味ではイコールです。

明日はLOOMを伝える音楽会を甲府のへちまでやります。
頼まれてもいないのに、イベントを企画して、まだ産地のことを知らない人に少しでも音楽を通して伝えることができればと思いました。
演奏には地元の音楽家、田辺玄さんと森ゆにさんに。お二人の音楽を甲府で聞きたいと思ったのも正直なところ。
音楽会の感想はまたこんど。

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