BEEK DESIGN
BEEK DESIGN is Creative Desgin Group in Yamanashi, Japan.

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師匠

ぼくにはデザインも編集も仕事の上での師匠がいない。
けっこうバリバリのアートディレクターや広告系の人は、ベテランの下について一緒に仕事をして独立っていうルートを辿っているのをよくみる。カメラマンとかもその流れが多い。
僕の道筋は、大学生の頃にイラストレーターを手に入れ独学でソフトの使い方を覚え、たいしてデザインもできない頃にデザイナーだけど取材もできますとか言って制作会社に入ったり、デザイン専門の会社で基礎的なところを徹底的にたたきこまれ、あとは好きなことができる会社を選んでリーマンショックで会社が傾いて放出され、否応なしに独立、そして今にいたる。いわゆるスタープレイヤーやこの道何十年の写植からやっていたベテラン、みたいな人の下についたことがない。つまりリアル師匠がいない。

そんな僕にとって、唯一勝手に師匠と思っている人がいる。あくまに勝手な妄想師匠。
その人はイラストレーターでデザイナーでシンガーソングライターで物書きで、流行語大賞とかとっちゃう人で、仏教学校卒で仏像に詳しくて、サブカルの権化で誰に対しても下手で優しくて、テレビや雑誌でエロいことを言ってお金をもらっている人だ。
他にも肩書きが多く、もはやなんの人かもカテゴライズできない人だ。
若かりし20代の終わり、彼の人に憧れ髪を伸ばしロン毛で過ごしてみた。中央線に住むと出世しないと言われつつも、彼の人がずっと住んでいた中央線をこよなく好きで住んでみた。ボブディランや吉田拓郎が好きになって、音楽の幅が広がったのも師匠のおかげ。好きすぎて、企画を立てて一度だけ仕事も一緒にできた。
そのときに書いてもらったイラストは今でも額に入れて部屋に飾ってある宝物だ。
ぼくの座右の銘は「色即是空」なのだが、これも師匠の著書をいろいろ読んでいきあたったところ。
悟ることは絶対にできそうもないけど、ものごとの真理には常に目を向けれるようになったかもしれない。
真理に目を向けると、馬鹿げてやってられないことばかりだ。
こたえは風の中に、とディランが歌っていたけどその風がまだ吹いていない。

つまるところ、師匠がいてくれてよかったということ(妄想師匠)。
師匠の道をみつめながら、僕は僕らしい道を歩いていきます。
師匠の師匠が糸井さんってのも、さすがです。この連載とかいまだに好きで見ちゃいます。

http://www.1101.com/job_study/jun/

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