6月も後半。甲州市塩山の福生里(ふくおり)という集落で梅もぎをしてきました。富士山がとてもよく見える場所にある梅の木。来年この梅の木がある場所はあたらしくワイナリーへと生まれ変わります。BEEKではそのプロジェクトのデザインや広報担当で関わっています。しかもこの場所の大家さんは以前取材でお会いしていたこともあって、ご縁を感じました。ワイナリーを集落の中に作るので、周辺の方々にもしっかりと周知や関係性をつくっていくこともだいじなこと。まずは大家さんに協力もしてもらって、収穫した梅で梅干しや梅酒、ジュースをつくって来年ワイナリーでもご提供できるようにしたいと思いました。
梅の木があちこちにあって、いろいろな場所で友人や家族も梅を仕込んでいました。うちのおかんも30kgくらい一人でつけて、近所に配ってまわってます。自然と梅が実をつけ(だいたいなにも手を入れずに)それを仕込んで1年をかけていただく。とても普通でとても気持ちのよいことを、今更ながら感じています。自然の中で汗をかいて、作業をしながらくだらない話をいくつも重ねる、そしてできるものを待って毎日の中でその自然をいただく。梅だけじゃなくて、季節それぞれで果樹や野菜やお米はそうやって作る人がいて、収穫しその恩恵をいただく。旬は待ってくれない。ふだん忙しない毎日の中、ぼくらはお金でその手間を買っている。いい部分もあるし、忘れかけてしまう部分もある。あたりまえなことを見失ってしまうこともある。自然の循環をていねいに見つめれば、きっと今まで感じなかったことに気づいて、心の中にも小さな芽が育っていくのだと思う。日本には四季がある。その季節ごとに、僕らはいつも揺さぶられる。